ありのままブログ

ニューヨークを拠点に刺激あふれる世界で、日々感じたことをブログを通して表現

日本の物質的豊かさと精神的豊かさについて

日本は果たして本当に豊かなのだろうかと言う論争を最近耳にすることが多い。大抵の論点は物質的には豊かであるが、精神的には豊かではないと言う流れである。海外を知らない日本人からすると、的を得た内容に思えるのではないだろうか。海外と本当の意味で比べてみると、本当にこの論拠が正しいと言えるのであろうか。

 

物質的な意味で言うと、日本は世界のトップを走る国であることは間違いない。言うまでもなく、世界のありとあらゆる製品を購入することができ、国民に購入するだけの財力もある。では、精神的にどうか。よく謳われるのは、世界の国々は休日が多く、家族や友達との時間を大切にする環境が整っている。結果、精神的にも豊かであれると。しかし日本国民は労働力または時間を犠牲にして、会社の為に時間を割いてきた。その結果、私生活に割く時間がなく、精神的に豊かになれない。

 

上記が所謂一般的な日本人の豊かさに関する論拠の流れである。私はこの流れが正解ではないと思う。まず、国家的に連休を作る取り組みが行われ、ゴールデンウィーク、シルバーウィーク、お盆休み、年末と4回の大型連休がある。これにより、家族、友達と過ごせる時間が大きく増えている。海外のほとんどの国は大型連休があるのではなく、有給を使って連休が取れる環境があると言うだけである。更に、日本では有給を取れない環境から、とらないといけない環境への転換が行われている。連休がある上に、海外並みの有給を取れる環境に移行しようというのである。

 

さらに海外の生活レベルと圧倒的に違うのは教養などの人間力である。例えば、日本の大型電気店等知識を必要とする場所でのサービスと知識のレベル。アメリカで電気製品を購入する際、間違った情報を伝えられることは度々あり、その為か返品がかなり簡単にできるようになっている。また、地震で大きく報道された、周りの人のことを思いやる気持ち。これらを加味すると日本の精神的豊かさは世界トップレベルにある。

 

しかしながら1点だけ危惧されるのは、日本が豊かすぎるが故の、精神的乏しさである。日本のレベルは何をとってもこれ以上ないというレベルまで来ている。しかしさらに上を目指すが故、またそれが普通だと思う顧客が居る為に、店長を土下座させたり、モンスターペアレントという問題が出てきている。これも豊かであるが故の副作用ではないだろうか。

 

日本の物質的、精神的豊かさは両方において世界と比べて間違いなく世界のトップレベルにある。しかし、トップを走るが故、ほかの国にない弊害も出てきている。こういった弊害に、どのように対処していくかがこれからの日本の豊かさに大きな影響を与えるのではないだろうか。